影響因子「改善提案行動」の特徴と対策例を教えてください。
影響因子「改善提案行動」の特徴や対策例をご紹介します。
01影響因子の特徴を理解する
・ 仕事上の改善案を積極的に示している状態である
・ 現状に甘んじることなく改善を志向し、建設的な意見が職場で飛び交っている
・ パフォーマンスが高く、創造的に仕事を行うことができる
・ 他人の仕事や職場全体に対する興味が少ない
・ 指示されたことや自身の仕事だけに取り組む人が目立つ
・ 問題点には気づいても指摘しにくい雰囲気がある
・ メンバーからの積極的な発言が少ない
改善提案行動が低い場合、職場全体のことや他のメンバーの仕事に対して、問題点や改善点の指摘やアイデアを出す行動が不足している危険性があります。こういった状態が続くと、組織のパフォーマンスが向上せず成長が停滞してしまいます。
02対策と実践のためのアドバイス
マネージャー向け
◆ メンバー同士や他部門との業務上のかかわりを増やす
仲間の仕事や職場全体とのかかわりが少ないことが原因で、興味や問題意識を持ちにくい場合があります。
業務上のかかわりを意図的に増やすことで改善を図れる可能性があります。
◆ メンバーが積極的に発言しやすい場を設ける
改善提案行動においては、指摘やアイデアが実際に役立ったかどうかという結果は問われません。より多くの課題を発見し、
「改善のために建設的な議論をするチャンスを持てている組織であること」がのちのパフォーマンスに繋がるからです。
そのため、気軽に発言しやすい場づくりをすることが大切です。
◆ 改めてチームビルディングを行う
チームとしての目標やビジョンを示し、メンバーの役割や期待する行動について認識あわせをすることで、
その達成に向けた意見が出やすくなります。また、改善提案の成果ではなく発言そのものに対してプラスに評価をしたり、
自身の仕事以外にも目を向けやすいような業務設計にすることもおすすめです。
◆ メンバーの仕事の裁量を増やしてみる
仕事の裁量が大きいことは、改善提案行動にとってプラスに働きますが、仕事を任せた後に細かく監視することで生まれる
不信感は、改善提案行動にとってマイナスに働きます。
仕事を任せることや裁量を増やすことに当然不安はつきものですが、
自律的な遂行能力を身につけるには仕事を任せるしかないため、特にはじめは、ある程度の失敗を許容する態度が求められます。
人事向け
◆ 意見を発信しやすい仕組みをつくる
組織全体として改善提案行動を促すために、「職場改善コンテスト」や「アイデアを募る目安箱」など、
意見を発信しやすい仕組みをつくることも有効です。
◆ 改善提案行動を行いやすいタイプを知る
・ 協調性が高い(温和、協力的、親切):プラスの傾向
・ 外向性が高い(話し好き、陽気、社交的):プラスの傾向
・ 神経症傾向(悩みがち、心配性、気苦労の多い):マイナスの傾向
このような特徴を持つ人は改善提案行動を行いやすいタイプといわれているため、社風等踏まえたうえで採用や昇進・昇格の
要件を決める際、人材配置・組織編制・研修・サポートの内容を検討する際に、あらかじめ配慮しておくとよいかもしれません。